レビー小体型認知症スマイルニュースhttps://dlbsn.orgレビー小体型認知症に関する情報を発信しています。Sun, 01 Mar 2026 12:21:13 +0000jahourly1https://dlbsn.org/wp-content/uploads/cropped-logo_dlbsn-32x32.pngレビー小体型認知症スマイルニュースhttps://dlbsn.org3232 連載:医学における小阪憲司先生の功績とレビー小体型認知症の発見の歴史17https://dlbsn.org/dlb-history/no17.htmlSun, 01 Mar 2026 11:59:56 +0000https://dlbsn.org/?p=4486

 レビー小体型認知症(DLB)を発見したのは、小阪憲司先生(2023年3月16日ご逝去)です。この連載コラムでは、小阪憲司先生の業績を中心に、DLB診療の進歩について、医療・医学に詳しくない方でも理解しやすいように努めて ... ]]>

 レビー小体型認知症(DLB)を発見したのは、小阪憲司先生(2023年3月16日ご逝去)です。この連載コラムでは、小阪憲司先生の業績を中心に、DLB診療の進歩について、医療・医学に詳しくない方でも理解しやすいように努めて記述していきたいと思います。(文責:鵜飼克行、総合上飯田第一病院・老年精神科・部長)

連載:第17回

DLBDに関する国際ワークショップの開催(その3)

 同年(2006年)、小阪先生らは小規模な臨床研究を実施して、ドネペジルのレビー小体型認知症(DLB)に対する有効性を報告しました。

 また、同じ年(2006年)に、池田学先生(大阪大学大学院精神医学教授、レビー小体型認知症研究会代表世話人)も、ドネペジルの認知障害と認知症の行動心理症状(BPSD)に対する有効性について報告しました。

 さらに翌2007年から、小阪先生を中心として、ドネペジルの国内臨床治験が開始されました。その後は紆余曲折を経ながらも、小阪先生・池田先生・森悦朗先生が主導した国内臨床治験において、DLBに対するドネペジルの有効性が証明されて、2014年にドネペジルは世界初の「DLB治療薬」として承認されるに至りました。

小阪先生(中央)・池田先生・森先生が揃った写真
鵜飼先生
鵜飼先生

真ん中が小阪先生、左(向かって右)が池田先生、右が森先生です。

 この頃すでに、小阪先生は、アセチルコリン系の起始核であり、大脳皮質への投射源であるマイネルト基底核が、アルツハイマー病(AD)よりもDLBで、よりシビア(高度)に障害されることを発見していました。

鵜飼先生
鵜飼先生

このため、小阪先生は「ドネペジルはADよりもDLBで、より著効するはずだ」と予言していましたが、「あの当時には、誰にも相手にしてもらえなかった」と苦笑されていました。

 なお、2006年には、小阪先生と藤城弘樹先生(小阪先生の弟子、名古屋大学特任教授、筆者よりかなり若い後輩です)らは、コリン作動系脳神経核として、マイネルト基底核とともに代表的な中隔核(海馬領域への投射)でも、ADよりDLBでの神経細胞脱落がより激しいことを報告しています。

 もう少し専門的になりますが、ドネペジルの有効性は用量依存的です。

用量依存的 >>> イミダス・集英社他サイト こちらはサイト運営委員会が参考までに追加しました)

 DLBに対して、基本的には10㎎/日の使用が推奨されています。が、筆者の意見ですが、ドネペジル5㎎/日で、日常生活動作(ADL)の改善が得られて・不満の無い生活が得られる場合には、敢えて10㎎に増量する必要はないと思います。

 ドネペジル5㎎/日で、認知機能や幻視などのBPSDが悪化・再燃した場合、その時点で10㎎/日に増やせば、さらに効果が出ることを、小阪先生と筆者らは2015年に臨床報告しています。

 さらに蛇足的ですが、ドネペジルの最高用量は,我が国では10㎎/日です(10㎎/日以上は使用不可能)。一方,米国やお隣の国(韓国)では,(ADに対して)23㎎/日まで使用可能になっています。筆者は日々のDLBの臨床で,「もしも、我が国でも23㎎/日まで使用できたら・・・」と、とても悔しい気持ちになります。

 ドネペジルは「パーキンソニズムを悪化させる」「易怒を生じやすい」と言われることもあります。しかし、DLBの臨床で、問題となることはほとんどありません。

 もしも仮に、何らかのパーキンソニズムが生じたら、その時点で減量か、レボドパ(パーキンソン症状の最も重要な薬)の増量をすればいいと思いますし、スルピリドなどの副作用であるoral dyskinesia(口唇や舌がグニャグニャ動く不随意運動)のように、長期にわたる薬剤性後遺症にもなりません。

 また筆者は、DLB患者にドネペジルを投与して、「易怒が生じた」というような経験は、一度もありません。もしも、DLBと診断した患者に、ドネペジルを投与して易怒的になったのなら、その際には「誤診しているのでは?」と疑うべきだと思います。

 連載第17回はここまでとします。第18回で、またお会いしましょう。

]]>
2026年4月19日DLBスマイルリンケージ東京~交流会開催のお知らせhttps://dlbsn.org/group/tokyo/event20260419.htmlSun, 01 Mar 2026 11:52:14 +0000https://dlbsn.org/?p=4482DLBスマイルリンケージ東京のページへ戻る

2026年4月19日DLBスマイルリンケージ東京交流会パンフレット-ダウンロード用PDF(A4・2ページ 0.9Mb)

↓2ページのパンフレットが表示されない、印刷する場合は上のダウンロード用PDFをお使いください。日時はメールにてお問い合わせください(詳細はパンフレットに記載)。
event_tokyo_20260419

]]>
2026年3月28日レビー小体型認知症シンポジウム2026~開催のお知らせ(更新)https://dlbsn.org/kansai/event20260328.htmlSat, 28 Feb 2026 01:45:25 +0000https://dlbsn.org/?p=4333パンフレット・申込方法(1ページ 2026年3月1日更新しました。認知症ケア専門士単位認定3単位)

2026年3月28日レビー小体型認知症関西3団体によるシンポジウム2026パンフレット・申込方法のダウンロード用PDF(1ページ 0.5Mb)

↓パンフレットが表示されない、印刷する場合は上のダウンロード用PDFをお使いください。
event_kyoto_osaka_hyogo_20260328

レビー小体型認知症サポートグループ 京都の紹介(2026年、当サイトに紹介を掲載予定)

レビー小体型認知症スマイルリンゲージ 大阪の紹介(2026年、当サイトに紹介を掲載予定)

レビー小体型認知症すまいるカフェ兵庫(レビー小体型認知症とともに生きる人を支える会)の紹介へ戻る

]]>
連載:医学における小阪憲司先生の功績とレビー小体型認知症の発見の歴史16https://dlbsn.org/dlb-history/no16.htmlSun, 15 Feb 2026 14:00:00 +0000https://dlbsn.org/?p=4472

 レビー小体型認知症(DLB)を発見したのは、小阪憲司先生(2023年3月16日ご逝去)です。この連載コラムでは、小阪憲司先生の業績を中心に、DLB診療の進歩について、医療・医学に詳しくない方でも理解しやすいように努めて ... ]]>

 レビー小体型認知症(DLB)を発見したのは、小阪憲司先生(2023年3月16日ご逝去)です。この連載コラムでは、小阪憲司先生の業績を中心に、DLB診療の進歩について、医療・医学に詳しくない方でも理解しやすいように努めて記述していきたいと思います。(文責:鵜飼克行、総合上飯田第一病院・老年精神科・部長)

連載:第16回

DLBDに関する国際ワークショップの開催(その2)

 2003年に第3回の国際ワークショップがNewcastle upon Tyneで開催され、その成果が「DLB臨床診断基準・改訂版」として2005年に発表されました。

 この頃の米国では、まだ「DLBはADの亜型(Lewy body variant)である」という考え方が支配的でした。

 しかし、小阪先生が提唱した「LBD」という用語は、「DLB臨床診断基準・改訂版」に公式に記載されました。

 ただ、残念なことに、我が国の研究者らが主張していた「MIBG心筋シンチグラフィ」の重要性は軽視されました(「示唆的特徴」ではなく、「支持的特徴」に分類されました)。

 筆者は、小阪先生が「欧米人は日本人の研究業績を認めたがらない」と言うのを、何回か聞いた記憶があります。1970年代に欧州に留学した実体験からの印象でしょうか。

 筆者も小阪先生に、「第1回(1901年)ノーベル医学賞をベーリングだけが受賞して、北里柴三郎が受賞できなかったのも、同じ理由ですか?」と尋ねたことを思い出します。

 2006年には、小阪先生の根拠地であるYokohama(横浜)で、第4回国際ワークショップが開催されました。

第4回国際ワークショップ(2006年 神奈川県横浜市)の記念写真
鵜飼先生
鵜飼先生

前列の真ん中が小阪先生です。

 この国際ワークショップは、小阪先生が主宰されました。

 しかし、この時でも、まだ「DLBDをLBDスペクトラムとして把握する」ことは受け入れられませんでした。「PDをLBDに含めるのは駄目」「DLBはADの亜型」との欧米の主張を崩しきれなかったわけです。欧米人は、なかなか頑固? ですね。

 小阪先生は、この第4回国際ワークショップ2006の主宰を契機に、日本に初めて、DLBの臨床や基礎を研究するための「レビー小体型認知症研究会(Japan DLB Research Association, DLB研究会)」を創設されました。

鵜飼先生
鵜飼先生

DLB研究会については、また別の回で述べたいと思います

 連載第16回はここまでとします。第17回で、またお会いしましょう。

]]>
連載:医学における小阪憲司先生の功績とレビー小体型認知症の発見の歴史15https://dlbsn.org/dlb-history/no15.htmlSun, 08 Feb 2026 13:08:00 +0000https://dlbsn.org/?p=4466

 レビー小体型認知症(DLB)を発見したのは、小阪憲司先生(2023年3月16日ご逝去)です。この連載コラムでは、小阪憲司先生の業績を中心に、DLB診療の進歩について、医療・医学に詳しくない方でも理解しやすいように努めて ... ]]>

 レビー小体型認知症(DLB)を発見したのは、小阪憲司先生(2023年3月16日ご逝去)です。この連載コラムでは、小阪憲司先生の業績を中心に、DLB診療の進歩について、医療・医学に詳しくない方でも理解しやすいように努めて記述していきたいと思います。(文責:鵜飼克行、総合上飯田第一病院・老年精神科・部長)

連載:第15回

DLBDに関する国際ワークショップの開催(その1)

 1995年、びまん性レビー小体病(DLBD)に関する第1回目の国際ワークショップが、英国イングランドのNewcastle upon Tyneで開催されました。この会議で、議論の末、レビー小体型認知症(DLB)」という名称が決定されました。

 実は、小阪先生は「DLB」という名称に不満を持ってみえたのですが、「決まってしまったものはしょうがない」と苦笑されていました。

 1996年、このワークショップでの成果が「DLB臨床病理診断基準」として、世界に発表されました。これを扱った論文で、DLBは小阪先生のLBD分類に基づいて、(1)新皮質型、(2)移行型(辺縁型)、(3)脳幹型、の3型に分類されました。

図1:アムステルダムのシンボル的建物
(アムステルダム中央駅 筆者の息子が出張中に撮影、2024年

1997年の第2回DLB国際ワークショップは、オランダのAmsterdamで開催されました。

 このワークショップで、小阪先生は「びまん型」「移行型」「脳幹型」に続く「第4の型」である「大脳型LBD」を提唱して、それもDLB分類に採用されました。

 「大脳型」とは、大脳皮質のみにレビー小体が多く分布していて,脳幹にはほとんどない型のことをいいます。

 他にも、DLBは「うつ病と誤診されやすい」「REM睡眠行動障害(RBD)が高率で認められる」などの重要な臨床所見が確認されました。

 同年(1997年)、レビー小体の主成分がalpha-synuclein(αシヌクレイン)であることが発見されました。αシヌクレインに対する抗体で免疫染色を行うことにより、20年前(1978年)の小阪先生の見解である「脳幹のレビー小体と大脳皮質のレビー小体は同じもの」という主張が、完全に正しかったと証明されました。

 また、免疫染色によって、小阪先生がHematoxylin-Eosin染色で記載していた「intraneuritic Lewy body」や「ghost Lewy body」、さらに微小構造である「Lewy neurite」までもが、誰でも明瞭に認識できるようになりました。これらを一括して「レビー病理(Lewy pathology)」と呼んでいます。

連載第15回はここまでとします。第16回で、またお会いしましょう。

]]>
連載:医学における小阪憲司先生の功績とレビー小体型認知症の発見の歴史14https://dlbsn.org/dlb-history/no14.htmlSun, 01 Feb 2026 23:42:34 +0000https://dlbsn.org/?p=4445

 レビー小体型認知症(DLB)を発見したのは、小阪憲司先生(2023年3月16日ご逝去)です。この連載コラムでは、小阪憲司先生の業績を中心に、DLB診療の進歩について、医療・医学に詳しくない方でも理解しやすいように努めて ... ]]>

 レビー小体型認知症(DLB)を発見したのは、小阪憲司先生(2023年3月16日ご逝去)です。この連載コラムでは、小阪憲司先生の業績を中心に、DLB診療の進歩について、医療・医学に詳しくない方でも理解しやすいように努めて記述していきたいと思います。(文責:鵜飼克行、総合上飯田第一病院・老年精神科・部長)

連載:第14回

「レビー小体病」「びまん性レビー小体病」概念の提出(その3)

 1990年、小阪先生は日本で報告された37剖検例をまとめて、論文「Diffuse Lewy body disease(DLBD:びまん性レビー小体病)in Japan」を発表しました。

図1:「Diffuse Lewy body disease in Japan」論文の最初のページ
(筆者所有の論文の最初のページをSCANしたもの)

 この論文では、DLBDは二つの型に分類されました。すなわち、「通常型(28例)」と「純粋型(9例)」です。

 「通常型」のDLBDは、いろいろな程度のアルツハイマー病(AD)の病理を合併したタイプであり、「純粋型」のDLBDとは、AD病理がほとんど認められないタイプです。 一般的に(我が国では)「純粋型」は「通常型」に比べると若年発症で、パーキンソニズムが目立つ(初発症状)傾向があります。

 筆者は、小阪先生から直接に、「純粋型のDLBDは少なく、多くは通常型だよ。DLBDとADは『兄弟』疾患だと思っている」と教えられました。筆者が「AD病理にDLBD(レビー)病理が被ってくるのか、レビー病理にAD病理が被ってくるのか、どっちですか?」と聞いたときに、「どっちもあると思う」との答えでした。

鵜飼先生
鵜飼先生

「DLBD(びまん性レビー小体病)=DLB(レビー小体型認知症)」

と考えてOKです。

図2:ケルンのシンボル・世界遺産・大聖堂
(筆者の息子が出張中に撮影、2024年)

 1993年、ケルンで開催されたドイツ精神医学会150周年記念シンポジウムに招待された小阪先生は、「純粋型のDLBD」の日本人例と欧米人例の比較検討をした研究成果を講演しました。

 小阪先生がケルンでのドイツ精神医学会150周年記念シンポジウムで講演をしてから30年以上が経っています。つまり、ドイツ精神医学会は180年以上の歴史を誇っているわけです。

 ちなみに、日本精神神経学会(現在の我が国の精神医療・医学の基盤学会です。設立当時の名称は「日本神経学会」でした)の設立は123年前の1902年です。

 面白いことに、欧米人の純粋型の発症年齢は、日本人とは異なり、若年発症ではなく(日本人の純粋型は平均39歳発症)、通常型(平均69歳発症)と変わりがありませんでした。

 この原因は不明のままですが、近年では我が国でも純粋型の高齢化がみられるようです。

 なお、この研究は、原稿化されたにもかかわらず、理由は知りませんが、残念ながら発刊(論文化)されませんでした。しかし、ドイツ語での講演抄録は残っています。小阪先生自身による「レビー小体病」のドイツ語訳は「Lewy-Korperchen Krankheit」です。

連載第13回はここまでとします。第15回で、またお会いしましょう。

]]>
2026年4月3日DLBスマイルグループ愛知~交流会開催のお知らせhttps://dlbsn.org/group/aichi/event20260403.htmlFri, 09 Jan 2026 01:48:33 +0000https://dlbsn.org/?p=4435愛知のページへ戻る

2026年4月3日愛知交流会パンフレット・申込書-ダウンロード用PDF(2ページ 2ページ目が申込用紙となってます。 0.5Mb)

↓パンフレットが表示されない、印刷する場合は上のダウンロード用PDFをお使いください。2ページ目が申込用紙となってます。
event_aichi_20260403

DLBスマイルグループ愛知のページへ戻る

]]>
2026年2月28日DLBスマイルリンゲージ茨城~交流会開催のお知らせhttps://dlbsn.org/ibaraki/event20260228.htmlFri, 09 Jan 2026 01:28:11 +0000https://dlbsn.org/?p=4425茨城のページへ戻る

2026年2月28日茨城交流会 パンフレット・参加申込票-ダウンロード用PDF(2ページ 0.5Mb)

↓パンフレットが表示されない、印刷する場合は上のダウンロード用PDFをお使いください。
event_ibaraki_20260228
茨城のページへ戻る

]]>
2026年2月15日DLBスマイルリンケージ東京~交流会開催のお知らせhttps://dlbsn.org/group/tokyo/event202602.htmlThu, 08 Jan 2026 12:43:54 +0000https://dlbsn.org/?p=4325DLBスマイルリンケージ東京のページへ戻る

2026年2月15日DLBスマイルリンケージ東京交流会パンフレット-ダウンロード用PDF(A4・2ページ 0.9Mb)

↓2ページのパンフレットが表示されない、印刷する場合は上のダウンロード用PDFをお使いください。日時はメールにてお問い合わせください(詳細はパンフレットに記載)。
event_tokyo_20260215

]]>
連載:医学における小阪憲司先生の功績とレビー小体型認知症の発見の歴史13https://dlbsn.org/dlb-history/no13.htmlSun, 21 Dec 2025 15:34:58 +0000https://dlbsn.org/?p=4391

 レビー小体型認知症(DLB)を発見したのは、小阪憲司先生(2023年3月16日ご逝去)です。この連載コラムでは、小阪憲司先生の業績を中心に、DLB診療の進歩について、医療・医学に詳しくない方でも理解しやすいように努めて ... ]]>

 レビー小体型認知症(DLB)を発見したのは、小阪憲司先生(2023年3月16日ご逝去)です。この連載コラムでは、小阪憲司先生の業績を中心に、DLB診療の進歩について、医療・医学に詳しくない方でも理解しやすいように努めて記述していきたいと思います。(文責:鵜飼克行、総合上飯田第一病院・老年精神科・部長)

連載:第13回

「レビー小体病」「びまん性レビー小体病」概念の提出(その2)

 ドイツ留学から帰国した小阪先生は、1980年に自験20剖検例に基づいて「レビー小体病(Lewy body disease:LBD)」の概念を提唱しました。

 この論文の中で、小阪先生はLBDを3つの型に分類しました。①びまん型②移行型③脳幹型、の3型です。

: 1996年に小阪先生は、LBDの4つ目の型として「④大脳型」を追加しています。びまん型LBDと大脳型LBDの違いは、また別の機会に説明することにします。

 米国の研究者らは、「パーキンソン病患者に認知症が発症する原因は、アルツハイマー病が合併するため」と主張していましたが、それに対して、小阪先生は「新しい認知症性疾患の発見」を確信していました。

 1984年、小阪先生は自験剖検12例を基に、新しい認知症性疾患として「びまん性レビー小体病(diffuse Lewy body disease:DLBD)」の名称を提唱しました。小阪先生の、この「DLBD論文」が発表されて、1985年以降には欧米でも同様の報告が多く発表されるようになりました。

鵜飼先生
鵜飼先生

LBDとDLBは、どう異なり、どこが同じなのか、分かりにくいと思いますので、少し説明します。

 LBDとは、多数のレビー小体が出現して、その臨床症状の原因となっていると思われる疾患の総称です。つまり、レビー小体の存在がその疾患の主徴となっている疾患群を意味します。「認知症ではないLBD」というケースもあります。

 パーキンソン病(PD)は、レビー小体が主に脳幹の中脳黒質に出現しますので、脳幹型LBDに該当することになります(早期の段階であれば認知障害は認めないことが多い)。

 びまん性レビー小体病(DLBD)は、レビー小体が脳幹にも・大脳辺縁系にも・大脳皮質にも、びまん性に出現しているタイプで、びまん型LBDに該当し、このタイプは認知障害をきたすので、これがのちに、国際的に「レビー小体型認知症(dementia with Lewy bodies:DLB)」と命名されたと考えてください。

 ちなみに、PDでは、脳幹型LBDから移行型を経て、最終的にびまん型LBDに至ると、認知障害が生じて、パーキンソン病認知症(PDD)になります。こうなると、もはや病理像ではDLB(=DLBD)と区別できなくなります(つまり、両者は同じ疾患と言えます)。

鵜飼先生
鵜飼先生

注3:LBDを一つの疾患と考えて、PD・PDD・DLBはLBDの亜型であると解釈してもいいと思います。つまり、レビー小体が主に(最初に)どこから発生してくるかによって、LBDの症例を、PDやDLBなどに亜分類しているという考え方です。

 要するに、PDも・DLBも・PDDも、すべて同じLBDという疾患であり、レビー小体が主に(最初に)どこから発生するか・どの程度まで広がったかによって、呼び方を変えているだけと考えるわけです。

鵜飼先生
鵜飼先生

 「レビー小体がある疾患の総称」「レビー小体病という一つの病気」、このどっちの考え方でも、そう変わらない気もしますが、小阪先生は「レビー小体病という一つの病気」という考え方だったと思います。よって、小阪先生の弟子である我々の仲間内では、こう考える人々が主流だと思います。

:失神(起立性低血圧や神経反射性)を主症状として発症するLBDも存在します(初めの頃には認知障害はありません)。このタイプのLBDは、自律神経系が主に(最初に)障害されると考えられ、純粋自律神経不全症(pure autonomic failure:PAF)に分類されます。病理解剖して調べないと分かりませんが、おそらく、自律神経系にレビー小体が多数出現している(黒質や大脳には少ない)のだろうと思われます。この病理が証明されれば、新たに「自律神経型LBD」という「第5の型」になるかもしれません(大脳型が「第4の型」であることは、前述しました)。

連載第13回はここまでとします。第14回で、またお会いしましょう。

]]>