レビー小体型認知症の知識は専門家だけのものではありません。世間の人にも知ってほしい。これだけは知ってほしい1・2・3からはじめて、難しい専門のことまで説明していく予定です。(文責:眞鍋雄太、神奈川歯科大学臨床先端医学系認知症医科学分野 認知症・高齢者総合内科 教授)
第一回
— 改めて「認知症」を識る、用語の成り立ちから識る —
先ず理解して頂きたいのは、「認知症」という単一の疾患(=病気)は存在しないということです。「認知症」とは、あくまでも病気による状態(=病態)を表す用語になります。
このことは「認知症」を示す英語“dementia”の成り立ちからも明らかで、狂わせるという意味の動詞dementに病名に用いられる語形成要素iaが付加され構成されています。
dementは、ラテン語で「自分の心を失わせる」という意味のdementareに由来し、dementareは、「正気ではない、狂っている」という意味のdemensから派生した語です。
従って、“dementia”は自分の心が本来の自分から逸れた、「状態」を指す用語ということがご理解頂けるのではないでしょうか。
最初の連載はここまでとします。第二回も近日掲載します。